こなごな  liner notes

 


泣くのを我慢した時に、思い切り声を出して泣ける曲を書いてみたくて、

Vo 阿部が作詞作曲したもの。

サビの歌詞「~こなごな」と、次につながる「涙が~」を

あえて文章そのものをくっつけた歌い方にしたのは、

Vo 阿部のこだわりであり、2 番の歌詞でも同様なことが施されている。
曲調は元気で疾走感があるようだけれども、

よく聴いているとなんだか悲しい気持ちが

思い出されるような曲が書けないものか、

という実験がなされた曲のため、疾走感こそ大事で、

ドラムはダンスビートにはしない、という意思をもって

あえて基本的に 8 裏に音符を入れず、

とことん「4分音符」で埋めることに徹した。

スネアの、あえて明るく聞こえないような音作りは、

曲調ではなく歌詞の内容に沿わせて考えたもの。

Ba 古谷は自身のベースを「キッズ感が強いベース」と表現し、

サビはルートで曲を支える素直さを持つが、

イントロ冒頭や曲のところどころに

出てくる6 拍分のフレーズでもまた遊び心がたっぷりだ。

鍵盤のフレーズの中にも

その6 拍分のフレーズが隠されているという仕組みがあり、

この曲を構成するに欠かせない面白味を持った要素だ。

曲の締めくくりもこのフレーズが使われるが、

最後だけはそのフレーズをあえて本来の長さから変更し、

倍ほどの長さを持つことでよりクライマックス感を出している。

 

阿部さとみ